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2009年5月 2日 (土)

「地域クラブ私論」(9)

 クラブコアエリア内の人口、その増減についてみてきた。「地域クラブ」として多年齢の人々が集えるというのが大切なことである。各年齢層とも地域にとっては重要な存在であることは疑いの余地がない。ただ、「地域クラブ」の独自性として、根幹に青少年のための地域クラブとしての存在意義を有するべきであると考えている。

 コアエイジとして、
5歳~15歳をターゲットとする。「国勢調査」データでは、その年齢層すべての数値を把握できない。下記のように、59歳、10歳~14歳のカテゴリーの数値を参照して、クラブコアエリア内各地区の2000年度、2005年度の数値とその増減を見てみた。

 514歳全体で、134人増加している。5-9歳では176人増加している。1014歳では▲42人減少している。地区別に見ると。二名地区102人、登美ケ丘地区36人、青和地区24人増加している。東登美ケ丘地区は▲28人減少している。

 59歳でみると、登美ケ丘地区110人、東登美ケ丘地区46人、青和地区30人増加し、二名地区は▲10人減少している。10歳~14歳でみると、二名地区のみが112人増加し、青和地区▲6人、登美ケ丘地区・東登美ケ丘地区とも▲74人ずつ減少している。

 クラブコアエリア内での59歳、学校年齢でいうと幼稚園・保育園・小学校低学年のカテゴリーの子どもたちの数が増加している。「地域クラブ」としては、小学校高学年・中学校年代を主にプログラム創出してはいるが、今後、「スポーツ」・「カルチャー」を通じて、幼稚園・保育園・小学校低学年のカテゴリーの子どもたちに対するプログラム創出の重要性が増していると考える。

年齢 年度 青和 二名 登美ケ丘 東登美ケ丘 合計
5~9歳 2000年 612 356 592 212 1,772
2005年 642 346 702 258 1,948
増減 30 -10 110 46 176
10~14歳 2000年 610 295 653 357 1,915
2005年 604 407 579 283 1,873
増減 -6 112 -74 -74 -42
合計 2000年 1,222 651 1,245 569 3,687
2005年 1,246 753 1,281 541 3,821
増減 24 102 36 -28 134

【奈良市役所Webサイト「国政調査」データより抽出作成】

2009年4月29日 (水)

「地域クラブ私論」(8)

 クラブコアエリア内の各地区の2000年から2005年の人口増減を見てみると、以下のようになる。青和地区は、全体で▲232人の減少となっている。特に顕著なのが、20歳代が▲339人、70歳以上が▲239人の減少となっている。60歳代135人、40歳代134人、30歳代84人といずれも増加している。19歳以下は概ね大きな変化はない。
【青和地区】

 

2000年     

2005年   

増減

09

1,296

1,301

5

1019

1,158

1,156

-2

2029

1,508

1,169

-339

3039

1,948

2,032

84

4049

1,472

1,606

134

5059

1,437

1,427

-10

6069

1,050

1,185

135

70歳~

994

755

-239

合計

10,863

10,631

-232

 二名地区は、全体で868人の増加となっている。特に顕著なのが70歳以上が484人で、60歳代163人、40歳代182人、30歳代181人と増加している。50歳代▲184人、20歳代▲71人と減少している。19歳以下は113人増加している。

【二名地区】

 

2000年     

2005年   

増減

09

658

701

43

1019

677

747

70

2029

818

747

-71

3039

932

1,113

181

4049

738

920

182

5059

1,163

979

-184

6069

1,121

1,284

163

70歳~

728

1,212

484

合計

6,835

7,703

868

 登美ケ丘地区は、全体で▲275人の減少となっている。特に顕著なのが20歳代▲551人、50歳代が▲417人減少している。続いて10歳代▲256人、40歳代▲127人の減少となっている。70歳以上529人、60歳代346人、30歳代173人といずれも増加している。

【登美ケ丘地区】

 

2000年     

2005年   

増減

09

1,296

1,324

28

1019

1,419

1,163

-256

2029

1,887

1,336

-551

3039

1,891

2,064

173

4049

1,660

1,533

-127

5059

2,290

1,873

-417

6069

1,668

2,014

346

70歳~

1,327

1,856

529

合計

13,438

13,163

-275

 東登美ケ丘地区は、全体で118人の増加となっている。70歳以上が273人、30歳代129人、9歳以下103人、60歳代86人増加している。10歳代▲229人、20歳代▲118人の減少が顕著である。

【東登美ケ丘地区】

 

2000年     

2005年   

増減

09

336

439

103

1019

905

676

-229

2029

857

739

-118

3039

528

657

129

4049

887

773

-114

5059

1,284

1,272

-12

6069

1,040

1,126

86

70歳~

935

1,208

273

合計

6,772

6,890

118

【上記表については奈良市役所Webサイト「国勢調査」統計データより抽出作成】

2009年4月26日 (日)

「地域クラブ私論」(7)

2-2 外部環境分析(2) クラブコアエリアの状況

 クラブコアエリアは奈良市西部、北西部は生駒市に隣接している。最寄駅としては、近鉄奈良線の学園前駅、富雄駅。けいはんな線「学研奈良登美ケ丘駅」がある。「学研奈良登美ケ丘駅」周辺は大型商業施設があり、新たに私立学校法人も移転してきた。近年、街の様相も変化してきている。

 大阪市内まで通勤
30分のベッドタウンというのが地域的特徴である。クラブコアエリアの年齢別人口はどのように構成になっているのか、どの年齢層が増加しているのか、減少しているのか、客観的な数値を「奈良市役所」webサイトの「国勢調査」統計資料から抽出し加工したものが下記の表である。

 
奈良市青和・二名・登美ケ丘・東登美ケ丘の各小学校区の全体でエリア全人口が38,387人、60歳以上人口は10,640人、老齢化率(60歳以上人口が地区人口総数に占める割合)27.72%。19歳以下人口は7,507人、若年齢率(19歳以上人口が地区人口総数に占める割合)は19.56%となっている。

 
老齢化率の高い地区を見ると、①東登美ケ丘33.88% ②二名32.40% ③登美ケ丘29.40% ④青和18.25%となる。
 
60歳以上人口が多い順に見ると、①登美ケ丘3,870人 ②二名2,496人 ③東登美ケ丘2,334人 ④青和1,940人となる。
 
19歳以下の割合が高い地区を見ると、①青和23.11% ②登美ケ丘18.89% ③二名18.80% ④東登美ケ丘16.18%となる。
 
19歳以下人口が多い順に見ると、①登美ケ丘2,487人 ②青和2,457人 ③二名1,448人 ④東登美ケ丘1,115人となる。

年齢 青和 二名 登美ケ丘 東登美ケ丘 合計 構成比
0~19歳 2,457 1,448 2,487 1,115 7,507 19.56
20~39歳 3,201 1,860 3,400 1,396 9,857 25.68
40~59歳 3,033 1,899 3,406 2,045 10,383 27.05
60歳~ 1,940 2,496 3,870 2,334 10,640 27.72
  10,631 7,703 13,163 6,890 38,387  

【奈良市役所Webサイト「平成17年度(2005)国勢調査データから抽出作成】

2009年4月18日 (土)

「地域クラブ私論」(6)

2 マ-ケティング
2-1 外部環境の分析(1) PEST分析

Political:政治・法律)
 
2000年に文部科学省が、生涯スポ-ツ社会に向けた地域スポ-ツ環境の整備充実方策、我が国の国際競技力の総合的な向上方策、生涯スポ-ツ及び競技スポ-ツと学校体育・スポ-ツとの連携方策を盛り込んだ「スポ-ツ振興基本計画」を策定した。

 
2000年に厚生労働省が第3次国民健康づくり対策「21世紀における国民健康づくり運動」で超高齢社会に備えて国民の健康課題である「栄養・食生活」「身体活動・運動」「休養・こころの健康づくり」等9分野で到達すべき数値目標を設定した。幅広い年齢層におけるスポ-ツ需要の拡大による地域スポ-ツクラブとしてマ-ケット確保と参入機会が生じている。

Social:社会・文化)
 
200512,776万人だったわが国の総人口が、2025年には11,927万人と849万人減少する。年齢別に見ると、年少人口(014歳)は557万人減少し、生産年齢人口(1564歳)、も1,313万人減少する。それに反して、老齢人口(65歳以上)1,068万人増加する。

 
年齢別人口割合で見ると、25年後には年少人口の割合が13.917%から10.02%と3.89%減少し、老齢人口は20.09%から30.48%と10.39%増加する。人口減少社会、超高齢化社会、小子化社会が確実に到来する。 高齢者の健康維持、体力つくり等の健康に関心がある人が増加しているためスポーツのニーズが顕在化し、地域の中でのスポーツの受け皿の創出が急務となってくる。

Economical:経済)
 
わが国のGDP(国内総生産)も過去数年の実質経済成長率は概ね2%を確保し、完全失業率も低下傾向にあった。それに伴い全産業における現金給与所得総額も安定してきたが、昨今の急激な経済不況の影響を受け、今後は実質経済成長率、完全失業率、現金給与所得総額も悪化する傾向は否めない。

経済情勢が悪化している現状の中で、スポーツに対する資金投下額が減少傾向を示してはいるが、スポーツに対する人々の強いニーズは存在し続けている。不安定な経済情勢の中であるがゆえに、今まで以上に健康・リフレッシュという肉体的・心理的な意味においての価値を創造するスポーツ環境が望まれている。

Technological:技術)
 
急速なパソコン普及、インタ-ネットなどの情報伝達技術が飛躍的に発達し、かつては想像もできなかった情報化社会が日常的に実現化された。発信機能・情報伝達機能・ネットワ-ク機能などを活用した新たなホスピタリティの提供を地域社会においても可能とすることができる。

年度

実質成長率

(前年比%)

完全失業率(%)

現金給与総額(前年比%)

2003

2.1

5.1

0.9

2004

2.0

4.6

0.3

2005

2.4

4.4

0.7

2006

2.3

4.1

0.1

             












(総理府「日本の統計 内閣府・厚生労働所統計」より

年度

総人口

年少人口

014歳)

生産年齢人口

1564歳)

老齢人口

65歳以上)

2005

12,776

1,752

8,409

2,567

2010

12,717

1,647

8,128

2,941

2015

12,543

1,484

7,680

3,378

2020

12,273

1,320

7,363

3,589

2025

11,927

1,195

7,096

3,635

















(日本の人口・世帯「人口の推移と将来人口」より) 単位:万人

2009年4月12日 (日)

「地域クラブ私論」(5)

1-3 ビジョン達成に向けた具体的な目標(数値目標、具体目標)

「地域クラブ」としてクラブの根幹に「フットボールクラブ事業」を置く。従来の事業の見直しと新たな事業展開をめざす。「地域クラブ」としてのニ-ズに対応して別事業として「うぶすなシューレ事業」を位置づける。その中の「スポ-ツ」のカテゴリ-部門を「スポ-ツシュ-レ」とし、カルチャー部門を「カルチャーシューレ」とする。

 地域の中で既存スポ-ツ・カルチャー団体が実施している種目・教室については回避しながら、実施されていない種目・教室を念頭において、「チーム」ではなく「教室」(スクール)として随時プロダクトを創出していく。サスティナブル(持続的な)クラブとして、ビジョン達成に向けて下記の具体的目標に取り組む。

【クラブ事業】

● 2012年度末までに「うぶすなシューレ」の中で、「スポ-ツシュ-レ」部門 5教室を創設する。

・第1タ-ゲット(子ども)3種目

・第2タ-ゲット(3050歳)2種目

● 2012年度末までに「うぶすなシューレ」の中で、「カルチャ-シュ-レ」部門 5教室を開設する。

・第1タ-ゲット(子ども)3種目

・第2タ-ゲット(3050歳)2種目

● 賛助会員数の増大 (毎年20会員)

2012年度末には 100

● 2012年度末までにクラブハウス機能を有したクラブ事務所を開設する。クラブ機能の集積とコミュニケ-ション機能の充実を目的とする。

2012年度末までに登美ケ丘北中学校・二名中学校に屋外夜間照明施設の設置を実現する。行税・学校・地域に対しての継続的な折衝と行動を実践する。
● クラブ全体の中で「支える」人材としてのボランティア数を増加させる。

● 継続的なクラブ経営のための収益改善を目的としての会費設定の再検討と見直しを図る。

● 2012年度末までに職員2名・常勤アルバイト3名を雇用する。(指導者1名・事務職員1名・常勤アルバイト3名)

● スポーツ&カルチャ-に関しての講演会を開催する。 年 1

【フットボールクラブ事業】

● プレ-会員数増大 新規加入会員(毎年40名)

現在フットボ-ル会員数 160名  2012年度末には 210

(新規加入会員40名 退会30名 年間純増会員数10名)

● ジュニア・ジュニアユース・社会人以外のカテゴリーの創設を検討する。

● 2012年度末までに社会人は、関西サッカーリーグDivision2へ加盟する。

● 2012年度末までにジュニアユ-スは関西大会の常連クラブとなる。

● 2012年度末までにジュニアは奈良県大会ベスト4の常連クラブとなる。

● 毎年、各カテゴリ-におけるトレセン・選抜選手を輩出し増加させる。

● Jリーグ・JFL・地域クラブ・大学・高校で、サッカー選手・審判・関係者として継続してサッカ-に取り組んでいるソレステレージャ奈良2002出身者(クラブ創設以前の出身者を含む)を増加させる。その数値を公表資料に基づいて毎年、把握、検証する。

● スタッフのレベルアップをめざす。指導・審判・マネジメント他の日本体育協会・日本サッカ-協会ほかの各協会・各種団体の公認資格保有者数を増加させる。

● 指導者の学びあいの場として「コーチングシューレ」を定期に開催する。 年3回

● 外部研修会・講習会へのクラブ指導者の積極的な参加を推進する。

【うぶすなシュ-レ事業】

● 「スポ-ツシュ-レ」部門参加者  2012年度末 延べ500名(年間)

・第1タ-ゲット(子ども) 年間実施回数 30回 (3種目)

・第2タ-ゲット(3050歳) 年間実施回数 10回(2種目)

● 「カルチャ-シュ-レ」部門参加者  2012年度末 延べ500名(年間)

・第1タ-ゲット(子ども) 年間実施回数 30回 (3種目)

・第2タ-ゲット(3050歳) 年間実施回数 10回(2種目)

● 参加者への案内は、学校からのプリント配布、公民館での広報等の協力を得る。Webサイトでの積極的な広報も実施する。

● 指導員・スタッフ・ボランテイアの継続的な確保のため、地域への積極的な広報を実施する。

● 地域(二名中学校・登美け丘北中学校の両校区)の中で、「カルチャー」という切り口から、地域発信の「場」として認知される礎を築く。

● 社会教育の拠点である公民館および各種協会との連携をはかり、人材確保とプロダクト創出により、質の高いよりよい事業を計画し実施する。(つづく)

2009年4月11日 (土)

「地域クラブ私論」(4)

1 クラブのミッションとビジョン

1-1 クラブのミッション

tsumugu tsunagu com.

人々がそれぞれの大切なものを「紡ぎ」、人々を「繋ぐ」、独自性をもった「コミュニティ」へ

より多くの人々が、

ふれあい、支えあい、

生きがい、希望、夢を抱ける

「スポ-ツ&カルチャ-タウン」をめざす。

1-2 クラブのビジョン

● 地域の求心力としてのサッカーをコアとした誇りあるクラブとする。

● スポーツを通じた青少年のための陶冶の場とする。

● 多世代にわたる「する」「みる」「ふれる「ささえる」地域参加型の総合スポ-ツ&カルチャ-クラブをめざす。

● スポーツ&カルチャ-の振興・普及・強化を通じて「地域」「学校」「行政」「家族」が一体となった連携システムの構築をめざす。

● 自立した地域主体のクラブを確立し、確固として存続する。

● 地域での健康づくり・体力づくり・ふれあいづくり・しあわせづくりのステ-ションとなる。

※ 私自身の個人的に思い描く「クラブ」のミッション・ビジョンを簡潔に掲載した。以降、各論へとつづく。

2009年4月 5日 (日)

「地域クラブ私論」(3)

 スポーツは「文化」の一端を担っている。トップレベルのスポーツのみが「文化」ではなく、草の根からトップまでを含めてのスポーツの総体が文化的な活動である。スポーツ以外の文化的活動を「文化」という語彙を使用すれば紛らわしさが生じるので、「文化」を「カルチャー」という語彙に置き換える。

 わが国のスポ-ツ・カルチャー環境の現状を認識し、「地域クラブ」の未来像等の方向性、潮流をも勘案した上で、スポーツの領域のみならず、新たなスポ-ツ・カルチャー環境を構築すべきである。地域からの確固たる信頼を得る基盤を確立する意味において、サスティナブル・クラブ(持続可能なクラブ)の可能性を目指さなければならない。

 そのためには、多世代、多種目、多様な技能水準・興味・目的の者が参加できる地域スポ-ツ・カルチャークラブの展開が必要である。加えて、「地域クラブ」として、さまざまなその他の地域貢献事業にも取組み、多様な人々のライフステ-ジ、ライフスタイルに応じた活動ができる地域クラブ環境を創出すべきである。

 従来の「サッカー活動」という狭隘な世界に閉じこもることなく、もっと幅広く深みのある開かれた「フットボール事業」をクラブコアとして太い幹を形成しながらも、「地域クラブ」として新たな視点から多様な事業を展開していく必要がある。クラブが「スポ-ツ」「カルチャー」の両面にわたり事業展開していくこと、また、企業の世界で頻繁に言われだしている「企業の社会的責任」(CSR:Corporate Social Responsibility)を「地域クラブの社会的責任」として捉え、クラブの現実的実践としてさまざまな地域貢献活動に主体的に取り組むべきである。

「地域クラブ」は地域のハード・ソフト両面なくして存在することはできない。地域住民とクラブとの相互信頼関係の上に立ってこそ、多世代の多様なニーズに対応でき、地域の多くの人々にとっての健康で豊かなライフスタイルの構築に寄与できる「サスティナブルクラブ」(持続可能なクラブ)としての可能性を保障するものである。

※ 拙文「地域クラブ私論」は長期にわたる連載となるため、左サイドバーのカテゴリー「地域クラブ私論」欄にまとめていくことにした。

2009年4月 4日 (土)

「地域クラブ私論」(2)

「地域」とは、「広辞苑」によると、「区切られた土地」「土地の区域」という意味が掲載されている。地理的、文化的な視点から「地域」は規模として「地方」と「地区」と分けることができる。「地域」という言葉を使う時に、どれぐらいの規模を想定するのかはそのクラブを想定する主体となる者にとってさまざまに設定される。たとえば、サッカーのJリーグが「地域に根ざした」という言葉を使う時、そのエリアは概ね行政単位で見れば、県、市の規模となっている。各都道府県の地域リーグの「Jリーグをめざすクラブ」も概ね同様である。

 しかし、グラスルーツの活動の中で、「地域」とは「地域社会」(コミュニティ)を意味するものと解釈している。「地域クラブ」は、最大「二中学校区」までを「コアエリア」として想定する。なぜならば、気軽にスポーツやカルチャーを楽しむための前提として、歩いてでも、自転車でも乗って出かけることができる距離範囲内が最適であるからだ。

 「コアエリア」はあくまでも拠点であり、エリア外の人々に対してもスポーツ・カルチャーを楽しむ場としての開かれた「地域クラブ」(コミュニティクラブ)であることが、ほんとうの意味での「地域クラブ」の存在価値を放つであろう。

 エリア内外を問わず、人々が「コアエリア」にスポーツ・カルチャー活動の場が存在し、また、多数の人々が集まり協力しながら魅力ある「地域クラブ」を創り出すことができれば、拠点としての「コアエリア」の独自性が産み出され、人々のネットワーク、地域社会の活性化、及びその存在意義に繋がる可能性を有している。(つづく)

2009年3月29日 (日)

「地域クラブ私論」(1)

【はじめに】
 1969年に、大阪市立玉津中学校3年生だった時、東成区大成通の路地裏の自宅で見た学習研究社「中三コース」という雑誌の、西ドイツの子どもたちのグラビア写真が、40年後の今もあざやかな記憶として私の脳裏に焼きついている。「スポ-ツ・シュ-レ」(スポ-ツ学校)「スポーツクラブ」という言葉をはじめて知り、クラブハウス、芝生のグラウンド、シャワ-室、レストラン等の施設・設備は、大阪鶴橋に住んでいた中学校3年生の路地裏少年にあまりにも鮮烈な衝撃的な印象を与えた。

 
当時、中学校社会科の授業で「日本と西ドイツはGNPの成長率が、世界でも有数で先進工業国だ!」と先生が授業で話された時、「日本と西ドイツは同じ先進工業国なのに、なぜ西ドイツだけがスポ-ツ施設が整っているのだろう?」という素朴な疑問と「「ぼくの町にも、そんな施設があればいいなあ!」と路地裏のわが机に向かいながら、言い知れぬ想いを抱いたことをつい昨日のように覚えている。それから40年が経ったが、その頃の想いは今も私自身の中で生き続けている。

 
1961年6月に、「スポ-ツ振興法」が制定された。その中に、「文部科学大臣は、スポ-ツの振興に関する基本的計画を定めるものとする」という条文がある。そのアクションプログラムが、やっと40年後の2000年9月に「スポ-ツ振興基本計画」として告示された。現在、スポ-ツの世界も、社会経済環境と同じく大きな変革期の中にある。時代の潮流を踏まえながら、スポ-ツを通じた人間教育の大切さをミッションとし、行政依存型から地域自立型、スポ-ツ環境の整備、拡充をも意図して実践しなければならない。しかし、地域スポーツの現状はそれほど大きく変容してはいない。

 2007
年度、私は日本体育協会公認クラブマネシャー資格を取得した。膨大な時間、費用、労力を費やした。ライセンスを取得したとしても私になんら現実的な利益はない。その原点は「知りたい」「学びたい」という欲求が行動に移させたのでしかない。2008316()、たった1時間の検定試験のため、奈良から日帰りで東京・渋谷にある岸記念体育会館へ出向いた。その一室で私が提出した「事業計画書」にもとづいて、私が思っていること、考えていること、実践したいこと、その実現可能性について、大学関係者の面接官から厳しいヒアリングを受けた。一生懸命に自分自身の経験と知識を総動員して答えた。私自身の思考力・表現力・言語力の無さを痛感しながらも、真摯に考えてきたことがレリーフのように炙り出された実に貴重な体験であった。

 その検定試験としての「事業計画書」を提出したものを改訂、抜粋し、あくまでも私自身の個人的な、スポーツを核とした「地域クラブ私論」として連載する。内容の次元、拙文に対して笑止されるかもしれない。ただ、「スポーツ」「文化」を価値あるものであると信じる一介の地域住民の「思い」「想い」であるとお読みいただければ幸いです。(つづく)

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