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2011年6月 8日 (水)

僕が買った「アンドリューのエッグタルト」は、どこへ行ったのでしょうか?

 6/7(火)夜、JR鶴橋駅改札口前の臨時販売所で、「アンドリューのエッグタルト」4個入り、2箱を買った。奈良行き「急行」に乗って、その袋を車内の網棚に置いた。ゆっくりとバッグから文庫本を取り出し読み始めた。15分くらい経った時に、車内アナウンスがあった。「石切駅」だった。向かい側に待っていた「準急」に急いで乗り換えた。

 座席にすわって引き続き文庫本を読んでいた。しばらく集中していると「富雄駅」に着いた。ホームに降りて文庫本をバッグの中にしまった。突然に思い出した。僕が買った「アンドリューのエッグタルトはどこだ?」と。ああっ! 置き忘れた!! あの「急行」の網棚だ。もうすでに時は遅し。初夏の夜の風が自己嫌悪を運んできた。

 やむなく、意気消沈のままに富雄駅の西改札口を出た。自虐的な気分に陥りながらも、富雄川沿いの夜道を、ひとり北上して歩いた。帰路途中、「中村屋」でビールとつまみを買った。おみやげを忘れた迷える子羊は、今一度そこでスイーツを買おうとしたが思いとどまった。

 僕が買った「アンドリューのエッグタルト」はどこへ行ったのだろうか? おそらく車内の網棚に忘れられたまま、車庫で冷たい夜を過ごすのか? それとも誰かが手に取りどこかに捨て去るのか? その行く末を思い浮かべた。

 自宅への最後の急な坂道を喘ぎながら登った。ふと見上げた。漆黒の夜空が広がっていた。そうだ! 僕の「アンドリューのエッグタルト」は、もしかしたら、銀河鉄道の夜の彼方へと旅立ったのだと、自分自身の救いとして、身勝手な妄想を抱きつつ心を切り替え、何事もなかったように、わが家の扉を開けて帰宅した。

「アンドリューのエッグタルト」公式サイト

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