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2010年5月 6日 (木)

フランツ・カフカ 「城」

Img_0001  滋賀県湖南市の「鹿深」(かふか)という地名は、歴史書「日本書紀」にもしるされているいにしえの名である。山深い地に鹿が多く生息していたことから名づけられたという。わが国に、「かふか」という地名が、ほかにあるかどうかは知らない。その音の響きは神秘的である。

 「かふか」という名に触発されて、本棚の片隅の奥深くで、ほこりをかぶった「カフカ」全集第1巻「城」を取り出した。全4~5巻の全集だったと記憶している。しかし、本棚には第1巻しかない。おそらく当時、買い続ける金銭的な余裕がなかったのだろう。

 第1巻の末尾を見た。初版:昭和28年2月(1953年)、第13刷:昭和47年5月(1972年)と記載されていた。この本を買ったのは、1974年、大学入学した頃だったのだろう。

 第1巻は450ページ余りだ。読み返すことも苦労がいる。今、その意思はない。集中力が続かない。冒頭の数ページを読んでうつらうつらとなった。 「Kが到着したのは夜もふけてからであった。村は深い雪に埋もれていた。城山は少しも見えず、霧と闇が山を包んで、大きな城のあることを示すほんのわずかな燈火さえも見えなかった。」(新潮社/カフカ全集第1巻冒頭)

 滋賀の「鹿深」(かふか)から、当時のチェコ、プラハ生まれのあまりにも現代的な「不条理」を描いた、フランツ・カフカを思い描いた。「鹿深」(かふか)は、「カフカ」に繫がった。

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