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2009年9月21日 (月)

「鶴橋駅」は、私にとってのタイムトンネル

 かつて子どもの頃にテレビで「タイムトンネル」という題名のアメリカドラマをよく見ていた。主人公二人が時代を飛び越し、過去や未来を行き来する内容だった。「鶴橋駅」に降りて実家へ帰る時に、私はいつもタイムトンネルをくぐったように時がスリップしてしまう。

 千日前通りの上にかかる大阪環状線・鶴橋駅は何十年も代わり映えがしない。「省線」と呼ばれた頃からのイメージがこびりつき残っている。

 駅からすぐの北東エリアは取り残されたような静けさが漂っている。最近は旅行ガイドブックを手に持ち歩いている人を多くみかけるようになった。国際市場周辺は人々で賑わっているが、駅から徒歩1分の場所は異世界に迷い込んだような場所が存在している。

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 近鉄「鶴橋駅」西口近辺は、焼肉屋が集積している。駅に降りればその匂いが充満している。近鉄線は東成区と生野区の境界となっている。昼ですら暗い高架下にも串焼き屋がある。頭上を見上げれば快晴の午後であるのだが、あたかも夜かと思い違いする。近鉄電車の中は煌々と光り、乗客がシルエットのように見える。

 日本全国にいくつの駅があるのだろうか?その中で一度も降り立っていない駅は無数にあるだろう。この世に生まれて後に一番多く乗下車した駅はと問われれば、JR大阪環状線「鶴橋駅」が私にとってはベストワンだ。

 大阪環状線と近鉄線の乗り換えのターミナル駅でありながら、ターミナル駅でないような不思議で独特な雰囲気が匂う個性的な駅である。わが国では珍しいアジア的な駅だ。今でも職場からの帰路に、私は少なくとも一週間に一度はこの駅に降り立つ。足が自然に向いてしまうのだ。その都度に「タイムトンネル」的な感覚が心地よく脳を刺激する。

 笑止されるのを覚悟で言えば、田園風景などなく、また美しくモダンでもない場末の雑然としたこの駅は、少なくとも私にとって、あの頃ののどかな想いを浮かび上がらせてくれる「ふるさとの駅」なのだ。

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