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2009年7月12日 (日)

Books 「空ニモ書カン」

Photo_4 著者:吉見良三/発行:㈱淡光社(1998.10)/定価:3000円+税/P.456

「紙無ケレバ、土ニ書カン。空ニモ書カン。」「保田與重郎の生涯」

【コンテンツ】 紙無ケレバ/生家/国のまほろば/日本浪漫派/美へのかけ橋/鳥見のひかり/偉大な敗北/帰農/別れの賦/ほか

 この本は、1995年3月~1997年11月、奈良新聞で週1回連載されていたものに加筆され、単行本として出版された。奈良新聞に連載時に興味を抱き読んでいた。14年前になろのだろう。素直になぜ? 今どうして?という疑問が湧いていながら読み進んでいた。単行本化され、すぐさま購入した。

 著者は、保田與重郎を避けてきたという。「右翼の民族主義者」「日本を敗戦に引きずり込んだ分子」という戦後のジャーナリズムの一般的評価を疑念もなく受け入れてきたと書き記していた。保田與重郎は、「滅びの美学」「散華の思想」の信奉者としてのレッテルを張られたまま戦後を生きた。

 著者が定年の後に、保田與重郎を読む気になり、読み進むにつれ、戦後知識人が断罪し、封印したその姿に違和感を抱き、今一度、見直す必要があるのではと、渾身を込めて執筆された価値ある一冊だ。

 
「紙無ケレバ、土ニ書カン。空ニモ書カン。止マルトコロ無ケレバ、汝ノ欲スルママ、風ノマニマニ吹カレユケ。・・・・・」 保田與重郎)

 「グローバリズム」という世界的趨勢のなかで、その行き詰まりとして「ナショナリズム」が各地域で噴出している。わが国も例外ではない。「日本回帰」という情況が現出していることは事実だ。私は、「国粋主義者」や「ナショナリスト」でもないが、今一度、保田與重郎、「日本浪漫派」を呪縛された視点から離れて、いかに評価するか、しないかを見つめ直しておかなければならないと思う。

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