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2009年4月19日 (日)

「杉本博司 歴史の歴史」と安藤忠雄の建築

1_006  4/18(土)午後、大阪・中之島にある「国立国際美術館」へ出向き、「杉本博司 歴史の歴史」展を観た。1月に金沢で開催された。私にとっては、冬の金沢、春の大阪でと二度目の観覧となった。同じ展覧会を二度つづけて観たのは今までに経験がない。私自身の微弱な感性の根底にあるものが激しく震えたからなのだろう。

 あの「ボーデン湖 ウットヴィル」ほか、合計9枚の海の写真があった。金沢では360度の円の外周に沿い飾られ、その中心に十一面観音立像があった。大阪では、やわらかい曲線の壁面に横一列で9枚の写真が並んでいた。横幅の長い展示室の中に長いすが置かれていた。そっと座って9枚の写真を観た。私の前方180度の角度の中でモノトーンに近い海が広がっていた。十一面観音立像のような想いが涌いた。

 さまざまな作品と収集品を時間をかけてゆっくりと観てまわった。余りにも刺激的だった。男女を問わず若い人々が多いのに驚いた。中心年齢が30歳代だろうか? 彼らの姿を見ているとほっとした気持ちになる。日常生活の重みを感じ始める年代に、「アート」に触れるという時間を自ら選択したのだ。

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 「国立国際美術館」は建築家・安藤忠雄が設計した建築である。地上面は写真の通りにパイプが曲線を描きうねっていた。一瞬、ここがほんとうに美術館なのだろうかと思ってしまう。正面の入口から入り、長いエスカレーターを下ると地下2F、3Fが展示場になっていた。地上からでは想像もできないほどのスペースが広がっていた。エスカレーターに乗って地下に下り美術館に入るというのは、実に不思議な感覚だった。まさにモダンな地中美術館だ。

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 巨大な高層建築の地中には、「アート」は存在しない。「国立国際美術館」の地中では、「アート」は存在し続ける。人は目に見える場所で何かを創り出そうとする。しかし、人は日々の中で、ほんとうは目には見えない場所で何かを創り出そうとする営為を積み重ねているのだ。地上でのパイプの曲線の先は、まるで槍のように天空を指し続けていた。

「国立国際美術館」公式サイト

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