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2009年3月 7日 (土)

ピエトロ・ジェルミ 「鉄道員」


【 ピエトロ・ジェルミ監督
 「鉄道員」(1956年イタリア)】

 
イタリアネオリアリズムの名作である。ピエトロ・ジェルミ扮する鉄道機関士のマルコッチ家族の物語だ。ドラマは末っ子サンドロ少年の目を通して家族の出来事がつづられてゆく。家族の崩壊と再生、裏切りと友情、父と息子の物語だ。

 長男は定職につかず家でぶらぶらしている。長女は誰のこともわからない子を妊娠していた。末っ子のサンドロはまだ小学生だった。長女の結婚式の日、長女の出産の日、マルコッチは酒を飲んで遅く帰ってきた。娘の死産を聞かされた。「あの日、早く帰っていれば」マルコッチは悔い悩んだ。

 機関車を運転していた。ふと気がつくと前方の線路に人が立っていた。急ブレーキをかけたが間に合わず轢いてしまった。特急電車からはずされボロ機関車の運転手に格下げになった。マルコッチは酒に溺れるようになった。組合ストライキ中に、マルコッチは列車を運転した。スト破りの「裏切り者」として白い目で見られる。マルコッチは場末の酒場で酒に溺れ家族は崩壊の状態となる。

 ある日、末っ子サンドロは酒場にいた父マルコッチを呼びに出かけた。そして仲間が集まっている酒場へ連れて行く。久しぶりに仲間と再会したマルコッチは昔どおりにみんなと飲み唄った。しかし、機嫌よくギターを弾いていたマルコッチが突然倒れた。

 クリスマスの日。静養していたマルコッチのもと昔の仲間たちが駆けつけた。長男も戻って来た。長女からも電話が入った。妻と末っ子サンドロもそばにいた。幸せな時間が戻った。その夜、マルコッチは幸せな気持ちの中でギターを奏でながら眠るように息を引き取った。

 
 小学5年生の頃から、遊びつかれてた後に、平日夕方にテレビで放映していた「名画劇場」を、路地裏の実家で寝転びながらなにげなくよく見ていた。その時、初めて洋画というものを見た。心地よかった。子ども心にいままで体験したことのない感情が湧き出た。「鉄道員」という映画はその時初めて見たときから、幾度観たことだろう。今、一部を観てもその時に湧き出た感情を思い出すことができる。やはり名作なのだ。

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