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2008年12月23日 (火)

佐久長聖高校 「美しき駅伝」

 12/21(日)第59回全国高等学校男子駅伝競走大会は、佐久長聖高校(長野)が雪辱を果たして日本高校最高記録2:02:18で優勝した。2003年2位、2005年4位、2006年6位、2007年2位と過去5年入賞常連校であったが優勝は無かった。悲願の初優勝だった。

 昨年、最終トラック勝負、悲願の初優勝目前、あまりにも劇的な「0秒差2位」(2:03:55)に甘んじた。その味わった悔しさから目標を2時間2分台に掲げてチームが始動した。雪辱の悲願の初優勝を目指して、監督が「自分で草むしりや石拾いなどをする手作りのクロスカントリーコースで鍛えてきた」(12/22朝日新聞)。

 12/21(日)当日の信濃毎日新聞朝刊「佐久長聖、真っ向勝負 全国高校駅伝きょう号砲」の見出し記事で、オーダーと起用法が記されていた。今年度からルール変更され、留学生が最長の1区(10km)を走ることが出来なくなった。

 留学生が3区に集まると予想して、本来ならば「花の1区」を走るはずの信頼する佐久長聖のエースを3区に起用した。その区間で留学生との「真っ向勝負」で、タイムさを最小限に抑える戦術を選択した。主将の選手はこのオーダーを聞いた時、「サプライズなオーダー」と驚いたという。

 1区では仙台育英に2秒差の2位、2区では1秒差の2位と完璧なまでの序盤だった。注目の3区、監督は「3区までで30秒差以内なら、4区以降で逆転可能」(12/22朝日新聞)とシナリオを描いていた。エース選手は「力の差はわかっていた。どれだけ差を広げられないかを考えて走った」という。32秒差で4区につないだ。日本選手として区間最高だった。

 4区、佐久長聖の追走が始まった。8秒差の2位だった。5区で逆転し2位に48秒差をつけて首位に立った。それ以降も守りに入らず攻めの走りを継続した。6区、2位に1:15秒差の首位、フイニッシュは1:52秒の差をつけて、2:02:18 日本高校最高記録で昨年の雪辱を果たす初優勝を飾った。

 佐久長聖高校選手の区間順位を見てみると、1区2位、2区2位、3区5位、4区2位、5区1位、6区1位、7区1位と全区間で上位を占めていた。このことは雪辱を糧とした総合力での強さを遺憾なく発揮した圧勝の駅伝だった。

 昨年、高校駅伝でのトラック勝負で優勝を勝ち取ることが出来なかったシーンをテレビで見ていた。「ゼロ秒差の2位」という屈辱を跳ね除けて佐久長聖高校は、初優勝を勝ち取ることが出来るのだろうか。そうあって欲しいと願いながらも、正直な気持ちとして私の心の中では否定的な想いが湧いていた。

 今年、出場校の予選最高タイムが佐久長聖高校だった。素直に驚いた。悔しさをばねに1年後、再び不死鳥のように舞い戻ってきた。結果は、初優勝、日本高校最高記録2:02:18。高校駅伝の中で輝かしい歴史を刻んだ。

 ふと気になりインターネットで「佐久長聖高校」公式サイトを開いた。同校の教育理念を表した興味ある図が目に飛び込んできた。「五育一体の全人教育」、「知育」「徳育」「体育」「美育」「気育」。「知育」「徳育」「体育」という言葉にはなじみがあったが、「美育」「気育」という言葉に興味を抱いた。

 「美育」は美しいものを美しいと思える感性。「気育」は人を思いやる誠実な姿勢。確かに子どもたちが大人になった時に、今以上に将来は大切で必要不可欠な要素となることは事実だ。「美育」教育の理念の中に刻んでいることに特に、同校の理念の根底に含めていることに惹かれる。

 選手は良くも悪くも環境の影響を受けて育つ。その部・クラブの環境が良くても、日常の多くの時間を過ごす家庭・学校環境が良くなければ、選手は育ちきれない。私は、佐久長聖高校の都大路を疾駆する姿、その駅伝のトレースを思い描いた時、さまざまな環境、人々のサポートの良質なものが表現され結実された「美しい絵」だったように思える。私にとっては、高校駅伝で過去に見たことがないほどの「美しき駅伝」だった。

「佐久長聖中学校・高校」公式サイト

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