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2008年12月 4日 (木)

「凍」(とう)

Photo  著者:沢木耕太郎 発行:新潮文庫(2008.11) 定価:552円+税 P.366

「妻ととともに美しい氷壁に挑み始めたとき、2人を待ち受ける壮絶な闘いの結末を知るはずもなかった。絶望的状況下、究極の選択。鮮やかに浮かび上がる奇跡の登山行と人間の絆、ノンフィクションの極北。」と文庫本の裏表紙に記された一文は、読後してなんらその言葉に違和感を抱くこともなかった。山岳ノンフィクションとしての最高の作品だと思う。読み終えた後も感動などを通り越した不可思議な余韻が私の心の中に漂った。

 世界最高峰のエベレストの隣にそびえるギュチュンカンへの登攀、クライマー夫婦の峻烈な闘いのものがたりだ。妻は以前の山行で手足の指を凍傷で切断されている。2002年、ギュチュンカンを2人で目指した。夫は単独で頂上に立ち、その後2人は苦闘の末、生命も危ぶまれる中で下山した。今度は夫が凍傷のため手足の指を10本切断した。壮絶な情熱と愛の詩だ。

 彼、山野井泰史は、その後もクライミングし続けている。山に登ることは生きることなのだ。ただ頂上を踏むことが目的なのではなく、「美しいラインを描いて登る」ことにこだわったのだという。結果だけがよければよいというのではなく、その過程の美しさにこだわり結果に結びつける。そのことがすべての領域での考え方に通ずるものなのだ。

 スポーツ関係者には一読して欲しい本だ。我々は、「美しいラインを描いて」、それぞれの目標、高みに向かって登り続けているのだろうか?

「山野井泰史」Webサイト

「山野井泰史・クライマー/情熱大陸」Webサイト

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