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2008年11月13日 (木)

思郷のこころ湧く日なり

 「オモニも済州島で生まれ育ったんやろ。なあ、元気な内に一度帰ろう!」と鶴橋の居酒屋「うをさ」で隣の席から話し声が聞こえてきた。意識的に耳を傾けなくとも、酒の酔いのせいだろうか、その男性の大きな声が自然と耳に入った。私と同年代ぐらいの男性二人とそのご両親なのだろうか、老齢のご夫婦が同席していた。

 「今、帰えらなければ帰られへん。なあ兄ちゃん、お父ちゃんもそう思うやろ。みんなで済州島へ帰えろうや。おじいちゃんの墓参りもせなあかん!」と大きな声が店の中にとどろき渡った。わがふるさと場末の町で酒を飲みながら、その家族と彼らの郷里・済州島に想いを馳せ、いつになく、わが思郷の湧く日となった。

病のごと
思郷のこころ湧く日なり
目にあをぞらの煙かなしも 
(石川啄木)

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