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2008年8月30日 (土)

越中八尾 おわら風の盆

Img  毎年、9月初旬に富山県・越中八尾で、「おわら風の盆」という祭りが行われている。哀愁漂う調べと優雅な踊りに、例年、20万人の観光客で賑わう。立春から数えて二百十日目、台風襲来の厄日とされ、農民たちもこの時期は作業を中止して五穀豊穣を歌や踊りに託して祈ったという。しなやかさとひたむきさが「おわら」の心意気なのだろう。

 私がその祭りを知ったのは、高橋治「風の盆恋歌」(1985年)という小説だった。その作品は、妻子ある中年男女が毎年、年に一度、「風の盆」の三日間だけ、越中八尾で時を過ごすという叙情的な恋愛物語である。古風な日本的情緒が漂いながらもモダンな恋愛小説でお奨めの一冊である。新潮文庫にもラインアップされている。そして。歌手石川さゆりは「風の盆恋歌」(1989年)を歌った。

 幻想の世界で、胡弓の調べに舞う姿は詩的で美しい。越中おわら節の冒頭に「見たさ会いたさ想いもつのる」という歌詞がある。その言葉の身体表現が哀愁漂う優雅な舞を生み出したのだろうか? 秋が近づくと一度は、越中八尾を訪れ、その舞を見てみたい気持ちが湧く。

「越中八尾おわら風の盆」公式サイト

「風の盆恋歌/石川さゆり」You Tube

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