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2008年6月14日 (土)

JR白新線 佐々木駅での枝豆

2006.9.10()北信越フットボールリーグ最終戦、AC長野エルザ(現AC長野パルセイロ)対ジャパンサッカーカレッジのゲームを観戦するため、私は新潟駅前バス停から新潟県免許センター行きのバスに乗り、新潟県聖籠町にあるジャパンサッカーカレッジへ向かった。観光案内所の女性がアドバイスしてくれた。終点で降りてタクシーに乗れば一番早い。しかし、終点に到着したがタクシー乗り場にはその姿はなかった。バスに同乗していたゲームシャツ姿の男性が前方を歩き出していた。彼もゲームを観戦するのだろうと思い私も続いて歩き出した。9月だというのに夏のように暑かった。何分か歩くと、彼の姿は前方の視野から消えていた。思い違いだったのだろうか? ゲームを見るのだろうと思っていたがこの辺りの企業に所要があったのだろう。やっとのことでグラウンドに着いた。徒歩4050分はかかった。歩きつかれてアキレス腱が硬くなってしまっていた。

 
ゲームは長野エルザが敗れリーグ優勝を逃した。はるばる奈良から飛行機とバスと徒歩で、敗戦と息子の涙を見るためにやってきたようなものだ。でも、それもまた価値あるものだと自分自身には言い聞かせた。ゲーム終了後、グラウンド近くのコンビニに寄った。人が群がっていた。自家用車でやってきていたサポーターが帰路の飲み物等を購入していたのだろう。私はどのように新潟駅まで帰ったらいいのか煩悶していた。「最寄り駅へ行くのにはどうしたらいいのですか?」と大きな声で叫んでいた男性がいた。近くにいた男性が、「今タクシーを呼んでいるので、一緒に乗りますか?」と声をかけていた。私は「あっ!」と心の中でつぶやいた。あのバスで同乗し、降りて私の前を歩いていた男性だ。でもなぜ? 私の前から消えた?そのようなことを考えるのは後にして、私も相乗りをさせてもらうために手を上げた。

 
三人を乗せたタクシーはJR佐々木駅へ向かった。一人の男性は腕にギブスをはめていた。神奈川から日帰りでやって来たという。仕事中にけがをして休暇中だ。もう一人の男性は千葉から来たという。前日、新潟市内の親戚の家に泊まったらしい。親の介護を姉に見てもらえる段取りがついたので観戦に来ることができたらしい。二人は、北信越フットボールリーグの熱さに惹かれはるばる来たという。車内で、試合会場に向かう途中で消えた男性に尋ねた。彼曰く、暑かったので、途中のコンビにで休憩していたと話していただいた。疑問は解けた。

 JR佐々木駅に着いた。無人駅だった。新潟方面行きの列車が来るにはまだ時間があった。改札口前の椅子に座った。千葉の男性がバッグから容器を取り出し、「どうぞ」と枝豆を私に差し出した。ビールが飲みたいと思い、無人駅なので売店はなく駅周辺をさ迷い探した。店はあったがビールは置いていなかった。私たちは飲み物もなく、ただ枝豆を食べサッカー談義にふけった。ホーム内の待合室へ移動し、座りながらまた枝豆をいただいた。実に牧歌的で健全なひとときだった。新潟駅に到着した。彼ら二人は、上越新幹線で千葉・神奈川へと帰って行く。私は新潟空港へ出て奈良へ帰る。「また来たいと思っています。お会いできるといいですね」。最後に硬い握手をそれぞれかわした。感傷ではなく、ささやかであったとしてもほっとする一瞬があった。人はどこかのスクランブル(交差点)で、誰かに出会い別れてゆく。そしてそれぞれの人生の未来へ、ゆったりと歩みだす。

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