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2008年4月17日 (木)

「おくのほそ道」ひとつの情景

Img  4/16()、雑誌「サライ」を買った。今晩、別冊付録「おくのほそ道」(全文・全現代語訳)を読んだ。幾度か「おくのほそ道」を読んだが、いくつかの情景に、いつも惹きつけられる。

 そのひとつが、越後・親知らずの地を越えた宿での話である。芭蕉が、難所を越え疲れの中で早く寝た折に、襖一枚隔てた部屋から若い二人の女の声が聞こえる。越後の国の遊女であった。おちぶれて、浅ましい身の上になり、前世の行いがどんなに悪かったのでしょう。と話すのを聞きながら芭蕉は眠りについた。

 翌朝、芭蕉が宿を立とうとすると、二人の遊女が、伊勢参りに出かけるのだが、道中が不安で悲しい。どうか道中ともにさせて欲しい。人を助けるご出家の情けで仏道に入る縁を結ばせて欲しいと涙ながらに哀願する。芭蕉は、所々で滞在することが多いので、とても同行はできないと伝えた。かわいそうなことをしたという気持ちがしばらく収まらないと、その話を結んだ。その折に一句を読んだ。

一家(ひとつや)に遊女も寝たり萩と月

思いがけずひとつ屋根の下の宿に泊まることとなった。自分のような男と遊女とは、いわば空の月と萩の花のような取り合わせだ。無縁に思えるのだが不思議な取り合わせの妙味だ。)

 この一話が好きだ。幾度となく読むにつれてよりいっそう惹かれる。

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