« カレル・ブリュックナ- | トップページ | 良 寛 (1758~1831) »

2006年12月16日 (土)

島木 赤彦(1876-1926)

眼のまへに その人はあり とこしへに 消えてゆくべき その人はあり   〈赤彦)

 島木赤彦はアララギ派の指導的歌人にして「信濃教育」で名高い教育実践者であった。信州、諏訪の小学校長の職にあるとき、妻子をおいての単身赴任だった。赤彦、三十六歳。新任教師、静子、十八歳との恋。

 

 私たちの常識では思いもつかないことかもしれない。しかし、事実は小説よりも奇なり。実直な心と純情な心のつづれおり。しかし、世間の目は冷たく教育者にあるまじき姿に写っていたのだろう。ただ、人の心の中までは誰にもわからない。たった二年間の恋。もしや、清らかなる想いが存在したのだろう。

 大正十年、赤彦、五十歳、死の年の静子宛ての年賀状の隅に「十年はつつがなく生きました。なほ前途の幸福を祈ります。」と書き記す。          

« カレル・ブリュックナ- | トップページ | 良 寛 (1758~1831) »

恋歌風塵」カテゴリの記事